今回はIMR Acoustics R1のレビューをしたいと思います。
IMR Acoustics R1はIMR Acoustics社から2018年に販売されたイヤホンです。
IMR Acoustics社は初めて聞く名前でしたが、イギリスのメーカーです。
Trinity Audio社と聞けばピンとくる方もいるかもしれません。
そのTrinity Audio社の新しいメーカーさんらしいです。
このイヤホンの特徴は高品質な2DDハイブリッドイヤホンであること、背面ポートの開閉が出来ること、そして何といってもノズル部分の変更で音が5種類も楽しめることです。
また、Trinity Audio社時代のノズルも使えるそうです。
しかもかなり高価格なモデル(定価81380円)なので音質が楽しみです。
また、高価格モデルなのでパッケージや付属品がとても豪華な仕様となっています。
IMR Acoustics R1はどのような音作りがされているのでしょうか。
読者様の購入の参考になれば幸いです。
IMR Acoustics R1の仕様について
仕様 |
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Model Number: R1 |
インピーダンス:32Ω |
カラーバリエーション: ブラック&シルバー |
出力音圧レベル :108dB/mW |
プラグタイプ: 2pin(独自) |
周波数応答の範囲:14Hz-40kHz |
構成:13mmダイナミック・ドライバー + セラミック・ドライバーのハイブリッド構成 |
IMR Acoustics R1のカラーバリエーションは1種類です。
カラーバリエーションはありませんがデザインはメカメカしく個人的には好みです。
値段は81380円です。
販売店はAmazonです。
保証はおそらくAmazonの保証のみです。
高価格帯のイヤホンでこの保証期間の短さは個人的にかなりマイナスです。
IMR Acoustics R1の特徴は何といっても13mmダイナミック・ドライバー + セラミック・ドライバーのハイブリッド構成のイヤホンでそのサウンドを変更できることです。
サウンドの変更は2種類可能です。
1つはIMRオープン&クローズポートシステム搭載されており、背面のポートの開閉で、「サウンドステージや音像感を調整したり、 あるいは外音を遮断して密閉された空間を 作り出すことのできる 独自のチューニング・システム」があることです。
2つ目は5種類のノズルパーツの変更による音の変化です。
「R1は5種類のオーディオ・フィルターが付属しており、好みに合わせて自分好みのチューニングを施すこともできます。オーディオ・フィルターはカラーごとに異なるキャラクターを持ち、低/高音のレスポンスを変化させる効果や中域をより強く主張させる効果が得られます」
この2種類の組み合わせによりR1の基本の音から好みの音作りが可能です。
また、2pinですのでリケーブルが可能です。しかし、2pinは独自の物で刺さりづらい物があり、物によっては極性が違う等の問題もあるみたいです。
さらに、金属筐体で高級感があり落下などのアクシデントに強いことはプラスですね!
IMR Acoustics R1の外観等について
購入時の外観、付属品について
IMR Acoustics R1は約10万円に近い高価なイヤホンです。
そのため、パッケージやケーブル、その他付属品は低価格中華イヤホンに比べるとはるかに豪華です。
私のサイトのレビューで多い低価格中華イヤホンと比べると、パッケージ付属品が豪華なため、外箱は低価格中華イヤホンよりは多少大きいです。
梱包も非常に丁寧で好感が持てます。
イヤホン本体
イヤーピース4種類
1.4m OFCケーブル
6.5mm変換アダプタ
説明書類
IMR Acoustics R1の同梱物は豪華です。
ただ、ケーブルは音質はそこそこですが、質の高さはあまり良くないです。
後述しますが、極性の違いやゴム感は非常に印象が悪いです。
イヤーピースも素材違いが入っており、ぴったりはまるイヤーピースが見つけられそうです。
購入時の本体の外観について
IMR Acoustics R1の筐体はフェイスプレート、シェル、ノズルとすべてが金属製です。
そのため、プラスチック製のイヤホンに比べて耐久力が高く、長く利用できます。
また、外観が非常に綺麗です。
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IMR Acoustics R1は金属製で、バリなどありません。
また、傷もなく大変きれいな状態です。
バリなどもなくぶつかった痕や塗装剥げもなく非常にきれいな状態です。
本体の大きさは小さめです。
筐体は金属ですがそこまで重くはありません。
しかし、ノズルはかなり太目で、個人的には耳が痛くなります。
金属製ですが、耳にあたる内側の部分も鋭角ではなく丸みがあるのでアンドロメダやZS5系列のように当たっていたくなるようなことはありません。
そのため、フィット感が良く耳が小さい人でも長時間使用が出来ると思います。
〈 ステム部分について〉
IMR Acoustics R1のノズルは引っ掛かりが有ります。
そのため、イヤーピースの落下を気にせず外でも利用できます。
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IMR Acoustics R1の音質について
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レビューの前提として
〈エージングについて〉
私は実体験からイヤホンにエージングは必要があると思っています。
〈エージング方法について〉
私のエージング方法は適度な音量で100時間超エージング用音源(オーディオ機器エージング用WAVファイル集の詳細情報 : Vector ソフトを探す!)でエージングし、次に100時間音楽ランダム再生の計200時間超を目安としています。
〈再生機器について〉
WM1A、アンバランス出力、ハイゲイン出力です。
〈高音、中音、低音について〉
高音はシンバル
中音はボーカルやバイオリン・ピアノ
低音はドラム
をイメージしています。
〈イヤーピースについて〉
付属の物は使わないです。
私の良く使うイヤーピースは、OSTRY、スピンフィット、スパイラルドット、コンプライ、SednaEarfitです。
IMR Acoustics R1では主にSednaEarfitを試しました。
〈私が音質評価でよく使う表現について〉
寒色、暖色 | 音の聞こえ方です。 寒色はクール系、キンキン(金属的な、刺さりの有る)、線の細いイメージです。 暖色はウォーム系、刺さりの少ない線の太いイメージです。 |
派手(明るい、元気)、地味(暗め) | 派手や明るい、元気は、音の押し出しの強さのようなイメージです。 地味はゆったりとした、落ち着きのある、のようなイメージです。 |
フラット、ドンシャリ、かまぼこ | フラットは強調された音域が無い ドンシャリは高音、低音が強調されている かまぼこは中音が強調されている |
刺さる | 特定の音が耳に障る場合です。 |
IMR Acoustics R1の音質
〈全体的な出音のバランス〉
以下、ノズルは青色のバランスノズルで聞いています。
IMR Acoustics R1は音のバランスとしては高低音の印象多少強めな弱ドンシャリなバランスの音で高分離感、高解像度な迫力のある寒色傾向なイヤホンです。
出音のバランスは高低音が少し強め、少し高低音より弱めに中音という印象の弱ドンシャリなバランス傾向の音です。
出音の強さのイメージとしては低音≧高音>中音のイメージです。
また、この音の量感のバランスは好みで5パターン変えられるのが非常に楽しめます。
さらに、個人的には非常に分離感が良い印象を受けます。
音場は広くはないですが、音の被りが非常に少なく個々の楽器がしっかりと聞き分けられます。
また、高解像度、高い分離感でしっかりときれいに聞こえます。
音の傾向としては寒色です。
〈高音〉
IMR Acoustics R1では最も多い低音と同じくらいの量、もしくは多少少ない量が出ています。
かなりはっきりしっかりと聞こえる音域です。
高音のレンジも広く超高音もしっかりと聞こえます。
シンバルの音の消え際などが非常にきれいに印象的に聞こえます。
ただ、量が多いこととレンジが広いことから少し刺激的で強い音の印象です。
シンバルなどの刺さりはありません(しかし、ノズルによってはあります)。
音の距離としては多少近め~普通です。
〈中音〉
IMR Acoustics R1では最も音の量は少ない音域です。
音の量は他の音域に比べると少ないのですが、分離感の高さからピアノのソロやボーカルのみの曲など中音域がメインの曲の余韻や空気感が素晴らしいです。
また、中音も解像度が高くボーカルの透明感をとてもしっかりと感じます。
ただ、少し硬めな音なので非常にクールに聞こえます。
ここは好みが分かれるところだと思います。
サ行の刺さりは感じません。
距離は普通です。
〈低音〉
IMR Acoustics R1で最も量が多く印象が強く聞こえる音域です。
全体的にクール系な音で低音のキレがあって量感もあり、スピード感も感じられるハイレベルな低音です。
また、輪郭がはっきりとしておりしっかりとぼやけずにタイトな深い低音が出ています。
低音の弱めな曲でも定位感、立体感を感じられます。
低音はレンジが広く超低音もしっかりと聞こえ、解像感が非常に高く低音が好きな方におすすめできます。
音の距離は多少近め~普通です。
〈解像度〉
IMR Acoustics R1の解像度はとても良いほうです。
全音域しっかりと聞こえ、立体感や輪郭がはっきりと聞こえるため全音域おすすめできます。
クールな美音系なので、解像度の高さがすぐに分かると思います。
ただ、音の熱量や熱さは少ない印象です。
〈分離感・音場〉
IMR Acoustics R1の分離感はかなり良いです。
全体的にクール系な音でキレがあって量感もあり、スピード感も感じられるのは分離感が高い点にあると思います。
音数が増えてもかなり個別の楽器を聞き分けられます。
かなり分析的に音が聞こえます。
音場は上下左右共に狭めです。
全体的な音場が狭く、中音が普通程度なので中音域は被りそうですが、全く被らずにしっかりと聞こえるのは素晴らしいです。
また、音場は狭いですが、音のレンジが広く高音のヌケが良いのでそこまで「狭い」という印象は受けません。
〈音量のとりやすさ〉
音量はとりやすいです。
ハイゲイン23前後で聞いています。
〈サウンドフィルター(ノズル)、背面ポートの比較〉
このモデルの特徴ですが、サウンドフィルターと背面ポートによって特定の音域を強調するが出来ます。
音の変化が楽しめるイヤホンと言えば、スイッチの切り替えが出来るSIMGOT EK3がありました。
このIMR Acoustics R1の個人的な感想ですが、背面ポートはそこまで音場や音像感に違いは出ません。
しかし、サウンドフィルターはかなり変化があります。
特に高低音は分かりやすいです。
ピンクノズルでは高音がかなり刺さりが出る、オレンジ、カッパーは低音の圧、量が凄い…等です。
バランスとしては宮地楽器さんのHP記載のバランス通りの変化があります。
私はブルーかブラックが好きですが、カッパーやピンクなどの極端なバランスもこのイヤホンらしい音が楽しめるのでオススメです!
音以外の評価として
〈遮音性(音漏れ)について〉
IMR Acoustics R1はDD搭載の機種なので、背面に空気穴はあります。
そのため、音漏れがあります。
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また、多少音漏れの音は大きいです。
遮音性についてはノズルが長く、なかなか高いレベルにあります。
よって、通勤・通学用のイヤホンとして使用をあまりおすすめ出来ません。
〈ケーブルについて〉
IMR Acoustics R1のケーブルはゴムの被膜でかなり硬いケーブルです。
正直にいうとかなり使いづらいケーブルです。
以下の写真のように、普通のケーブル同様に無造作に置いただけで立体感が出てしまうほどです(笑)
また、極性が左右逆の物もあるそうなので質の面ではよくないのかもしれません。
ただ、音の質はそこまで悪くはない印象です。
リケーブルしなくても良い音が楽しめます。
![](https://akanamo.com/wp-content/uploads/2020/02/IMG_20200208_234954.jpg)
![](https://akanamo.com/wp-content/uploads/2020/02/IMG_20200208_235009.jpg)
被膜が固く癖もかなり強めです。
そのため、タッチノイズがあります。
音質は良いですが、持ち運びやすいケーブルとは言えなさそうです。
IMR Acoustics R1のまとめ
IMR Acoustics R1の特徴
IMR Acoustics R1の評価
個人的な価格比のおすすめ度です。
高音 | ![]() |
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中音 | ![]() |
低音 | ![]() |
分離感、解像度等 | ![]() |
総合評価 | ![]() |
IMR Acoustics R1の音のバランスとしては高低音の印象多少強めな弱ドンシャリなバランスの音で高分離感、高解像度な迫力のある寒色傾向なイヤホンです。
定価だと多少ライバルが厳しくなると思いますが、セール時の約2万円で買えるとなるとこの価格帯ならば相当お得感があるイヤホンです。
音は素晴らしく、サウンドフィルターにより音の変化が楽しめるという一本で飽きさせない工夫が素晴らしいです。
そのままでも非常に音が良いのでさらに自分好みの音を追及して楽しめるのは何本もイヤホンを買わなくて済むかもしれません。
ケーブル関係に多少の問題はありますが、セール価格であればIMR Acoustics R1は非常におススメできる良いイヤホンです。
では次のイヤホンレビューにて。