今回は Smabat M1 Pro のレビューをしたいと思います。
私はこのブログではカナル型のイヤホンばかりのレビューをしてきました。
今回インナーイヤー型のイヤホンを初めてレビューさせてもらうことになりました。
カナル型のイヤホンの特徴と言えばやはり音が耳にダイレクトに届くことです。
しかし、音場が犠牲になってしまい、音もこもりがちでした (なものが昔は多数ありました) 。
こうした問題に対応できるのがインナーイヤー型のイヤホンです。
インナーイヤー型のイヤホンはドライバーが大きく耳の穴には入らないので音が直接耳に届くような構造にはなっていませんが、ヘッドホンと同様な鳴りでかつ距離がヘッドホンよりも近いので音がダイレクトに届く感じを味わえます。
イヤホンにはまってからはカナル型のイヤホンばかりで、とても久しぶりのインナーイヤー型のイヤホンなので色々あるかもしれませんが、頑張って使用感を伝えたいと思います!
Smabat M1 Pro はどのような音作りがされているのでしょうか。
読者様の購入の参考になれば幸いです。
SMABAT-M1 PROの仕様について
仕様 |
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製品名:smabat M1 PRO |
インピーダンス:32Ω |
カラーバリエーション: ブラックのみ |
イヤホンの種類:インナーイヤー型イヤホン |
ヘッドホン感度: 110±3dB |
プラグタイプ: mmcx |
周波数応答の範囲:10Hz-22kHz |
構成: 14.2mmダイナミックドライバ |
Smabat M1 Pro のカラーバリエーションはブラックの1種類のみです。
値段は7500円です。
販売店はAmazon等です。
保証は1年です。
Smabat M1 Pro は1DDドライバーの構成のイヤホンです。
また、mmcxですのでリケーブルが可能です。
特徴は何といってもインナーイヤー型のイヤホンだということです。
SMABAT-M1 PROの外観等について
購入時の外観、付属品について
Smabat M1 Pro は他の中華イヤホンと同様に付属品は少なめです。
必要最低限の物が入っています。
イヤホン本体
ケーブル1本
イヤホンカバー×2(サイズ違いではなく、シリコンとコットン製)
イヤーハンガー×3(耳掛け部分のサイズ違い)
説明書
インナーイヤー型のイヤホンの購入は初めてなのですが、インナーイヤー型のイヤホンではイヤーピースではなく、耳にあたる部分を保護するカバーが入っています。
イヤホンカバーと書きましたが、正式名称かはわかりません(笑)
これは2種類入っており、サイズ違いではなく種類の違いです。
それぞれシリコン製とコットン製です。
また、 Smabat M1 Pro は耳掛けタイプと耳から降ろすタイプの2種類のつけ方をできます。
耳掛けタイプの場合のためのイヤーハンガーがついています。
このイヤーハンガーはサイズ違いで3種類あり、しっかりと個人に合うサイズの物が選べます。
購入時の本体の外観について
Smabat M1 Pro の筐体はフェイスプレート、シェル、ノズルとすべてが金属製です。
そのため、プラスチック製のイヤホンに比べて耐久力が高く、長く利用できます。
また、外観が非常に綺麗です。
Smabat M1 Pro は金属製で、バリなどありません。
また、たまに中華イヤホンにある初期傷もなく大変きれいな状態です。
本体の大きさはとても小さめです。
筐体は金属ですが全く重くはありません。
ここは個人差があると思いますが、ドライバーが大きく、厚みがあるため、耳の小さい私にはフィットしづらい形をしています。
そのため、カナル型のイヤホンに比べフィット感が悪く、耳が小さい人はベストな音を長く楽しむことは難しいです。
Smabat M1 Pro とKB EAR Knight、SHUOER TAPEとのサイズ感は写真のような感じです。
今回はちょうどインナーイヤー型のイヤホンがあったので比較してみました。
SMABAT-M1 PRO の音質について
レビューの前提として
〈エージングについて〉
私は実体験からイヤホンにエージングは必要があると思っています。
〈エージング方法について〉
私のエージング方法は適度な音量で100時間超エージング用音源(オーディオ機器エージング用WAVファイル集の詳細情報 : Vector ソフトを探す!)でエージングし、次に100時間音楽ランダム再生の計200時間超を目安としています。
〈再生機器について〉
WM1A、アンバランス出力、ハイゲイン出力です。
〈高音、中音、低音について〉
高音はシンバル
中音はボーカルやバイオリン・ピアノ
低音はドラム
をイメージしています。
〈イヤーピースについて〉付属の物は使わないです。
私の良く使うイヤーピースは、OSTRY、スピンフィット、スパイラルドット、コンプライ、SednaEarfitです。
WST-B30では主にスピンフィット、SednaEarfitを試しました。
SMABAT-M1 PRO は無し、もしくはシリコンの方です。
〈私が音質評価でよく使う表現について〉
寒色、暖色 | 音の聞こえ方です。 寒色はクール系、キンキン(金属的な、刺さりの有る)、線の細いイメージです。 暖色はウォーム系、刺さりの少ない線の太いイメージです。 |
派手(明るい、元気)、地味(暗め) | 派手や明るい、元気は、音の押し出しの強さのようなイメージです。 地味はゆったりとした、落ち着きのある、のようなイメージです。 |
フラット、ドンシャリ、かまぼこ | フラットは強調された音域が無い ドンシャリは高音、低音が強調されている かまぼこは中音が強調されている |
刺さる | 特定の音が耳に障る場合です。 |
SMABAT-M1 PRO の音質
〈全体的な出音のバランス〉
Smabat M1 Pro は音のバランスとしては中高音重視な逆ピラミッドバランス傾向の音で音場のとても広く、分離感も良好な寒色傾向なイヤホンです。
出音のバランスは高音が最も印象強く、次に中音、最後に低音という印象の逆ピラミッドバランスの音です。
音の線は全体的に細いですが、かなりキレのある音の印象を受けます。
出音の強さのイメージとしては高音≧中音>低音のイメージです。
また、インナーイヤー型のイヤホンの特徴だと思うのですが、音場が大変広く音の抜け感が素晴らしいです。
音の傾向としては寒色です。
〈高音〉
Smabat M1 Pro で最も音の量は多い音域です。
音が多くキレのある高音が聞こえます。
また、音場の広さも相まって高音の抜けが非常にきれいに聞こえます。
高音はしっかりと高い音が聞こえるのでレンジは広めですが、超高音の量は非常に少ないです。
高音は全体のバランス的に非常に量が多く、刺激の強めな高音なので刺さりを感じます。
シンバルなどの刺さりはあります。
音の距離としては遠いです。
〈中音〉
Smabat M1 Pro では高音よりも少ないですが、はっきりと聞こえる音域です。
中音は各音の距離が遠いこともあり中音自体の距離も遠いのですが、他の音域の音に被らずにかなりボーカルがしっかりと聞こえます。
分離感が高く、中高音重視な音なのでボーカルの透明感を強く感じます。
ただ、音場の広いことのデメリットゆえか中音の迫力は少ないです。
サ行の刺さりは感じません。
距離は遠いです。
〈低音〉
Smabat M1 Pro で最も量が少なく聞こえる音域です。
装着感の問題かもと思い手で押さえて聞いてみたのですがやはり音の量は少ないです。
また、低音は音のレンジが狭く超低音はほぼ出ていないです。
ただ、全体的にキレがあるので、低音はしっかりとぼやけずに聞こえます。
これらから、深い低音が好きな人にはおすすめできません。
DD機種で大型ドライバー搭載でエージングもしっかりとしたのでこの低音は
の特徴なんだと思います。
低音のキレは上位なのでもっと深い低音が出ていれば良いのにな、と思いました。
音の距離は遠いです。
〈解像度〉
Smabat M1 Pro の解像度はそこまで高くはないです。
音のキレはあるのですが、各音の輪郭が少しぼやけています。
音場がとても広いので音の輪郭がぼやけているのがより目立ってしまいます。
〈分離感・音場〉
Smabat M1 Pro の分離感は良いです。
キレのある音に聞こえるのは分離感の高さゆえです。
音場が広いのもあいまってかなり各楽器がはっきりと分かれて聞こえます。
音数が増えてもかなり個別の楽器を聞き分けられます。
音場は上下左右共にかなり広いです。
私はヘッドホンも持っているのですが、イヤホンよりもヘッドホンに近い音場です。
分離感が高く、上下左右の音場も広いため音数の多い曲や音が左右に振られるような楽曲ではとてもきれいに聞こえます。
ただ上述しましたが、音場が広すぎることと低音が多少弱いことから迫力という点では欠けています。
〈音量のとりやすさ〉
音量はとりづらいです。
ハイゲイン32前後で聞いています。
音以外の評価として
〈遮音性(音漏れ)について〉
Smabat M1 Pro はDD搭載の機種なので、上面に空気穴があります。
その穴は2列の線なので面積としては非常に大きいです。
また、インナーイヤー型のイヤホンの特徴なのだと思いますが、広い音場のためのヌケ感があるのは音漏れが大きいからだと思います。
そのため、音漏れがかなりあります。
さらに、私にはフィット感があまりよくないことも相まって遮音性もあまりありません。
よって、通勤・通学用のイヤホンとして使用をおすすめできません。
〈ケーブルについて〉
Smabat M1 Pro のケーブルは見た目のきれいなケーブルです。
ただ、被膜が非常に硬めで取り回しは悪いです。
また、癖も多少強めです。
そのため、タッチノイズがあります。
音質は付属ケーブルとしては悪くはないのですが、持ち運びやすいケーブルとは言えなさそうです。
SMABAT-M1 PRO のまとめ
SMABAT-M1 PRO の特徴
SMABAT-M1 PRO の評価
個人的な価格比のおすすめ度です。
高音 | 4.5 |
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中音 | 4.0 |
低音 | |
分離感、解像度等 | |
総合評価 | |
Smabat M1 Pro の音のバランスとしては中高音重視な逆ピラミッドバランス傾向の音で音場のとても広く、分離感も良好な寒色傾向なイヤホンです。
音のバランスは派手目でキレのある音で好きな人を選ぶと思いますが、高音好きなので個人的にはアリです。
ただ、低音が少なめなのと深い低音が出ていないのでここは好みが非常に分かれるイヤホンだと思います。
また、インナーイヤー型のイヤホンの特徴としてとても広い音場があります。
この音場の広さはカナル型イヤホンに慣れていると驚くレベルです。
さらに、音場の広さから分離感が良く大変きれいに音を聞き分けることができます。
インナーイヤー型のイヤホンを初めて聞きましたが、カナル型のイヤホンとはまた違った音を楽しめました。
もう1つインナーイヤー型のイヤホンがあるので比較もします。
音場の広く分離感の高い音が好きで、カナル型のイヤホンに慣れた人は一度聞いてみてもらいたいイヤホンです!
では次のイヤホンレビューにて。