今回はWST-B30のレビューをしたいと思います。
WST-B30はWestone社から2019年販売されたリニューアルモデルのイヤホンです。
Westoneのイヤホンは、リモールドですが私の初カスタムIEMでして、しかもES30だったので、今回のWST-B30と同じ3ドライバーモデルで過去モデルとの比較が出来ます。
結論から先出ししますが、Westone社の過去のモデルの音作りとは全く傾向の異なるイヤホンとなっています。
少し価格帯は今までのレビューよりも高いのですが、Bluetoothケーブルも付属しており、外使い派の方も手を出しやすいイヤホンですよね。
WST-B30のドライバー数は3つなので、中華イヤホンに慣れていると非常に高く感じられるかもしれませんが、正直付属品、音等で素晴らしいイヤホンとなっており価格が高いのもうなづけます。
WST-B30はどのような音作りがされているのでしょうか。
読者様の購入の参考になれば幸いです。
WST-B30の仕様について
仕様 |
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Model Number: WST-B30 |
インピーダンス:30Ω |
カラーバリエーション: オレンジ、ブラック(フェイスプレート付け替えで対応) |
パッシブノイズ減衰:25dB |
ヘッドホン感度: 107dB SPL @1mW |
プラグタイプ: mmcx |
周波数応答の範囲:15Hz-18kHz |
構成: 3BA |
WST-B30のカラーバリエーションは2種類です。
これは1つ購入するとフェイスプレートが2種類入っており、自分でフェイスプレートの交換が出来るようになっているため、1つの購入でカラーバリエーションが楽しめお得です。
値段は48000円です。
販売店はAmazon等です。
保証は2年です。
WST-B30は3BAドライバーの構成のイヤホンです。
また、mmcxですのでリケーブルが可能です。
さらに、Bluetoothケーブルが付属しています。
BluetoothはaptXでの接続が可能です!
WST-B30の外観等について
購入時の外観、付属品について
WST-B30は私のサイトのレビューで多い中華イヤホンとは異なり、パッケージ付属品が非常に豪華なため、外箱はかなり大きいです。
外箱の表にモデルナンバーや写真が大きく書かれており型番が非常にわかりやすいです。
こうした丁寧なパッケージは低価格イヤホンとははっきりと異なります。
イヤーピース2種類×3サイズ(それぞれの種類で2サイズの高さ違いがあり)
High-Definitionシルバーケーブル
Westoen Bluetoothケーブル
Bluetoothケーブル充電用USBケーブル
デラックスジップケース
着け替え用フェイスプレート
説明書類
WST-B30の同梱物は非常に豪華です。
さすがの高級イヤホンで、イヤーピースだけで5種類、ケーブルは有線、無線用合わせて2本、またケースも非常に豪華な物が付属しています。
イヤーピースはTRUE-FIT + Star Fit Kit 10 pairという2種類の付属、かつ5種類も大きさを選べるので確実に自分にフィットするものを選べます。
WST-B30は持ち運び用のケースがついており、サイズは大きいですが、非常に硬く満員電車などでも確実にイヤホンを守れます。
購入時の本体の外観について
WST-B30の筐体はフェイスプレート、シェル、ノズルとすべてが金属製です。
そのため、プラスチック製のイヤホンに比べて耐久力が高く、長く利用できます。
また、外観が非常に綺麗です。
WST-B30は金属製で、バリなどありません。
また、傷もなく大変きれいな状態です。
本体の大きさはだいぶ小さめです。
筐体は金属ですが全く重くはありません。
また、ノズルが長く耳奥まで入り、筐体の形はとても耳にフィットしやすい形をしています。
そのため、フィット感が良く耳が小さい人でも長時間使用が出来ると思います。
〈 ステム部分について〉
WST-B30のノズルは引っ掛かりが有りません。
しかし、ノズルが非常に長く、イヤーピースの落下を気にせず外でも利用できます。
WST-B30とDM7、IMR-R1とのサイズ感は写真のような感じです。
今回は同価格帯で比較してみました。
とても簡易な音質比較ですが、
WST-B30はボーカルが一番近く、濃さが感じられ、臨場感たっぷり
DM7は淡白ですがとてもクリアで、線の細い美音系
IMR-R1は高音が最も派手で刺激的、ノリ良い元気系
というところです。
詳細は以下のリンクからどうぞ!
WST-B30の音質について
レビューの前提として
〈エージングについて〉
私は実体験からイヤホンにエージングは必要があると思っています。
〈エージング方法について〉
私のエージング方法は適度な音量で100時間超エージング用音源(オーディオ機器エージング用WAVファイル集の詳細情報 : Vector ソフトを探す!)でエージングし、次に100時間音楽ランダム再生の計200時間超を目安としています。
〈再生機器について〉
WM1A、アンバランス出力、ハイゲイン出力です。
〈高音、中音、低音について〉
高音はシンバル
中音はボーカルやバイオリン・ピアノ
低音はドラム
をイメージしています。
〈イヤーピースについて〉
付属の物は使わないです。
私の良く使うイヤーピースは、OSTRY、スピンフィット、スパイラルドット、コンプライ、SednaEarfitです。
WST-B30では主にスピンフィット、SednaEarfitを試しました。
〈私が音質評価でよく使う表現について〉
寒色、暖色 | 音の聞こえ方です。 寒色はクール系、キンキン(金属的な、刺さりの有る)、線の細いイメージです。 暖色はウォーム系、刺さりの少ない線の太いイメージです。 |
派手(明るい、元気)、地味(暗め) | 派手や明るい、元気は、音の押し出しの強さのようなイメージです。 地味はゆったりとした、落ち着きのある、のようなイメージです。 |
フラット、ドンシャリ、かまぼこ | フラットは強調された音域が無い ドンシャリは高音、低音が強調されている かまぼこは中音が強調されている |
刺さる | 特定の音が耳に障る場合です。 |
WST-B30の音質
〈全体的な出音のバランス〉
WST-B30は音のバランスとしては低音の印象多少強めなピラミッドバランス傾向の音で高分離感、高解像度な迫力のある暖色傾向なイヤホンです。
出音のバランスは低音が少し強め、次に中音、最後に高音という印象のピラミッドバランス傾向の音です。
ピラミッドバランスですが、全体的にはっきりとした音のイメージで、高音もしっかりと出ています。
低音強化モデルということで、低音の量感があります。
WST-B30は3BAドライバーですが、濃いめの音の印象を受けます。
出音の強さのイメージとしては低音≧中音≧高音のイメージです。
また、高解像度、高い分離感でしっかりときれいに聞こえます。
音の傾向としては暖色ですが、とても濃いわけではなく多少暖色気味という程度です。
〈高音〉
WST-B30で最も音の量は少ない音域です。
しかし、量は少ないのですが、分離感の高さから非常にしっかりと聞こえます。
また、解像度の高さからかなりきれいな高音が出ています。
高音のレンジも広く超高音もしっかりと聞こえます。
量が少ないのにはっきりと聞こえるというかなりハイレベルな高音です。
シンバルなどの刺さりはありません。
音の距離としては普通です。
〈中音〉
WST-B30では低音よりも少ないですが、はっきりと聞こえる音域です。
高音と同じく、量は低音に負けていますが分離感の高さ、そして距離の近さからかなりしっかりと聞こえます。
また、中音も解像度が高くボーカルの透明感をとても感じます。
距離が近いこと、解像度の高さ、量からボーカル好きにおススメできます。
サ行の刺さりは感じません。
距離は近いです。
〈低音〉
WST-B30で最も量が多く印象が強く聞こえる音域です。
量もありますが、質も良くハイレベルな低音です。
また、しっかりとぼやけずにタイトな深い低音もがています。
低音はレンジが広く超低音もしっかりと聞こえるので、BA機種ですが低音が好きな方にもおすすめできます。
個人的には量があるのですが、ぼわついておらずキレのある低音なので好みの低音です。
音の距離は普通です。
〈解像度〉
WST-B30の解像度はとても良いほうです。
全音域しっかりと聞こえ立体感、輪郭がしっかりと聞こえ、全音域おすすめできます。
音が濃いめなのですが、キレのあるしっかりとした出音です。
〈分離感・音場〉
WST-B30の分離感はかなり良いです。
音が濃いめなのですがきれいにしっかりと聞こえるのはこの分離感の高さ故だと思います。
手持ちのロクサーヌほど濃くはないのですが、濃さを感じさせないのはWST-B30の優れている点です。
音数が増えてもかなり個別の楽器を聞き分けられます。
音場は上下左右共に狭めです。
また、中音がかなり近いです。
しかし、分離感が高く、高音と低音のレンジが広く音場が狭いのをそこまで感じさせないです。
加えて、中音が近いのは迫力の強さやボーカルの印象の強さにつながっていて個人的にプラスです。
〈音量のとりやすさ〉
音量はとりやすいです。
ハイゲイン20前後で聞いています。
音以外の評価として
〈遮音性(音漏れ)について〉
WST-B30はDD未搭載の機種なので、背面に空気穴はありません。
そのため、音漏れはありません。
ノズルが長く、フィット感も素晴らしく遮音性も手持ちでは最高レベルにあります。
よって、通勤・通学用のイヤホンとして使用をとてもおすすめ出来ます。
〈ケーブルについて〉
WST-B30のケーブルは High-Definitionシルバーケーブルです。
特徴は抵抗の少ないめっき銅合金の純シルバーの4本の線を編み上げていることです。
被膜が固く癖も多少強めです。
そのため、タッチノイズがあります。
音質は良いですが、持ち運びやすいケーブルとは言えなさそうです。
WST-B30のまとめ
WST-B30の特徴
WST-B30の評価
個人的な価格比のおすすめ度です。
高音 | 4.5 |
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中音 | 5.0 |
低音 | |
分離感、解像度等 | |
総合評価 | |
WST-B30の音のバランスとしては低音の印象多少強めなピラミッドバランス傾向の音で高分離感、高解像度な迫力のある暖色傾向なイヤホンです。
久しぶりにべた褒めしてしまいましたが、さすがの有名メーカー製イヤホンです。
マイナスポイントがほぼありません。
私は初めてのカスタムIEMがES30のリモールドでWestoneの音作りは好きでしたが、Westoneは低音強め、暖色傾向なイメージが先行していました。
加えてB30/50モデルは低音強めモデルとのことでより暖色傾向が強くなれば今の私の好みとは異なっているため正直どうかな、と思っていました。
しかし、この思いはプラスの方向で裏切られました!
WST-B30は過去のWestoneのモデルよりもクリア感が強く、また、音のバランスも良い素晴らしいモデルに変わっていると思います!
個人的には中低音好きな方にかなりおすすめです。
Westoneの昔の音のイメージがある人、また無い人も一度是非聞いてもらいたいとてもおすすめできるイヤホンです!
さらに高価格モデルであるため、付属品も非常に多く、流行りのBluetooth接続も出来るため、外使い派の方にも楽しんでもらえます。
家では有線、外では無線、のような使い分けも出来ます。
私のブログの中でもお高めですが、この価格帯でも非常におすすめできる良いイヤホンです!
では次のイヤホンレビューにて。
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